鉄道に息子が夢中だった頃、お目当ての車体でお稽古に行くために、40分前から駅で待っていた。
「時計の針が8まできたら、どれでも乗る」
約束したにも関わらず、車内でギャン泣きの息子。
バギーで寝ていた1歳娘も泣き出した。
私も泣いた。
あなたが3歳なら、ママになって3歳。どうしたらいいかわからないの!
ふと、「今が一番いい時よ」知らないお婆さんに、なぜか立派な蓮根を手渡された。
年をとって色々忘れちゃったんだ、孤独を感じた。
でも今はわかる。もう無茶な要求をぶつけて、拒んだところで泣いてわめかない。本心を察してあげる距離を保つのも結構しんどい。
蓮根婆さんは、いつも「今が一番いい時」と言ってくれたのかもしれない。