皆さん、こんにちは。モンテインテリア第7回目は子どもと季節の行事を楽しもう!です。
子どもが小さな頃は、毎月常に大小の「行事」があって、「正直しんどい」と思いながらやっていた時期もありました。でもね、オススメしたいのです。季節を楽しんでおくと、その季節が巡ってきたときに思い出すことが増えていくので、子育てや仕事や介護などでふと辛いことがあったときに自分を支えてくれることがあります。その効能は子どもの心をも丈夫にしてくれていることを知る機会が増えます。
「もってのほか」の思い出
食用菊のことを「もってのほか」というのを皆さんご存知ですか。その理由は諸説あるのですが、「天皇陛下の菊の御紋を食べるなんて“もってのほか”」という説を義母が教えてくれました。面白いですよね。我が家では秋になると幼児教育に携わる義母の家に山形に住むかつての教え子さんのお宅からたくさんの山芋と食用菊が送られてきます。包丁で山芋の皮をこそげ落として少し持ち帰り煮っころがしにするほかは、冷凍してお節料理のお煮しめ用に保存。食用菊は子ども達の出番。花びらをひたすらむしってビニール袋に入れたものをおばあちゃんちに届けるまでが役割でした。菊の花のとってもいい匂いが家中に広がり、湯がいた菊はほんのり苦いのですが、不思議と子ども達も大好きでよく食べました。
小さかった私の子ども達は、今では18歳の男の子と17歳の女の子です。先日義理の母の米寿のお祝いにみんなで家からきれいな格好で久しぶりに外食に出かけました。
義母の希望で日本料理のコースにしたのですが、その中の一皿に菊の花びらが添えられたものがありました。ただそれだけのこと。でもいろんな香りや、なぜか泣きながら黙って花びらをむしり取った時もあったなとか思い出すわけです。
先行きが見えないのに情報が溢れているから、子育てがしんどくなる
目の前の子供の一挙手一投足に気を取られるのではなく大きな視点で見つめ、目の前の子を見守ってみてあげてください。たくさんの情報があふれている中で、ともすれば私たち大人は理解しやすい大人の言葉で書かれた一見正しく思える情報に振り回され、目の前の子どもから目を逸らし、まだ見ぬ未来のために「子のためを思って」自己満足の課題を子どもにかしてしまいがちです。
「小さな子」と聞いて、皆さんは幾つぐらいのことを想像しますか?よく「〇〇つ」と言いあらわせるうちはかわいい、といますよね。
1つ2つ3つ9つまで?では10歳になったらかわいくなくなのでしょうか?実際のところは違います
いくつになってもやっぱり可愛い。
その年の可愛さというものがあります。(子どもに聞かれたら怒られるかもしれませんが)
いつだって心配ですが、「手を離して目を離すな」「目を離して心を離すな」と段階をおって距離を取るのが成長には大切です。
そんな風に言われても、目の前の子どもと向き合うことで精一杯になりますよね。そんなときに、子等の通っていたモンテッソーリの幼稚園の保護者会後の勉強会で「成長の設計図」みたいなものを教えてもらって目からウロコが落ち、とても気が楽になったことがありました。
モンテッソーリの発達の4段階で、子どもを大らかに把握してみよう
脳科学者でもあったモンテッソーリは成長4段階に分けていて、6才ごとの三角形で大らかに成長を捉える図があります。
3歳9歳12歳15歳を頂点とした6年ごとの4つの三角形それぞれを、「幼年期」「児童期」「思春期」「青年期」としています。
24歳ではじめて「おとな」になる、と考えているんですね。
ちょっと意外じゃないですか?
6年毎の頂点に達する前半は、その時期の中でも「獲得しようとする時期」で少し激しめ(笑)
頂点から次の段階に移る3年間は、獲得したものを「洗練していく時期」で緩やかな感じ、です。
3歳を頂点とする0歳歳から6歳の三角形「幼年期」
変化が激しいとき。0歳から3歳までの無意識下で環境全てを吸収する時期。赤ちゃんは栄養を摂るための唇の動きと反射的な動きしかできなかった筋肉を、自分の意思で動かせるようになり足や手をばたつかせて寝返りをうち、座れるようになり両手が使えるようになり、ハイハイをして伝い歩きから歩けるようになって同時に言葉をしゃべり始めます。喋れるようになっても知らない言葉も多く、感情を口で表しきれず、動けるようになっても「思ったようには動かすことができず」に鏡文字になったり、きちんとやりたいのにこぼしてしまったり、それでも「自分で!」なんでもやりたい時期です。
9歳を頂点とする6歳から12歳の三角形「児童期」
大きな変革をしなくて良い時期。とはいえ、日本では小学校に入り社会的生活を送る中でお友達と様々なトラブルを起こしたり、協力して楽しいことを経験していきます。小学校中学年までは皆がマイペースなので、細かな諍いがあるのは「普通」。今となっては笑い事ですが、息子は首回し(?)のようなチックや夜驚症も小4までありました。
15歳を頂点とする12歳から18歳の「思春期」
自分自身と社会とのかかわりについてもがき苦しむとき。「社会の新生児」や「精神面の乳児期」とも言われています。大人になろうとする体と心のはざまで不安定になり、仲間の中で自分がどのような立ち位置にいるのか他人と比較しながら自分の内面を見つめ奮闘していきます。外見に劣等感を持ちやすいのもこのころの特徴。
21歳を頂点とする18歳から24歳の「青年期」
これまでの経験を生かし社会的なつながりの中で自分の役割を見つけ、これまで自分が身につけてきた学びの手法を生かしながら自己を確立していきます。
そんな風に大きな4つの三角形のどこに位置のどこに我が子はいるのだろう?
大きな4つの三角形で捉えた視点で我が子を見ていると、今子育てであなたが悩んでいることは子どもが正しく成長している範囲に収まっていることが大半なのではないでしょうか?
その場合は、ただ見守っていればいいのです。
そうだったとしても、どうやって見守るの?と思いますよね?笑 わかります。
一緒に季節行事を楽しんで見ればいいのでは?
日本には四季がある!季節で定点観測
10月には運動会や学芸会や文化祭、末にはハロウィン。11月には七五三。12月はクリスマスにおせちの準備。1月になればお正月お年玉が貰えたり普段会わない親戚と集まったり。お家の中で見せないような子どもの一面を見られる貴重な機会です。2月は受験シーズン、節分もありますね!3月になるとお雛祭り、お別れの季節。卒園式や卒業式の準備で忙しくされる親御さんたちも多いのではないでしょうか?また4月の新学期に向けての準備も始まりバタバタする時期でもあります。
4月は桜が咲いて胸いっぱいの始まりの時。5月になるとその緊張が少し解けて緩慢な「五月病」という言葉に象徴されるような空気になりますが、子どもの日をみんなで祝ったり、五月晴れで6月にかけて春のイベントが目白押しになります。
7月になって七夕。短冊に思ってもない子どもの願い事をみたりして驚いているうちに、夏休み。8月はプールや海水浴、キャンプにアウトドアに旅行と体力勝負で駆け抜け、9月になったら長い夏休みが終わって新学期。リズムが整うまでまたゼロベースに戻ったようなそんな新しい季節が始まります。運動会の準備も始まりそしてまた10月末のハロウィンになっていきます。
おいも掘りや稲刈り体験、球根の水耕栽培、クリスマスケーキのデコレーション、お餅つき、いちごがりたけのこ掘り早苗の植え付け体験など季節の行事には、いろんな食べ物の思い出も伴いますよね。みんなで食べた思い出は記憶の奥底に刻まれて、ふとした瞬間に味や香りとともに1年が巡ったことに気づかされ、時が流れるのは早いな(ずいぶん遅いな)などと思えてくるのです。
季節の行事を一緒に楽しめるのは、子どもが小さな時だけ
子どもが大きくなると家族一緒に揃ってお祝いできることってとても少なくなるんです。
お料理を食べたあとにカフェテリアに移動すると七五三の前撮りをされた家族連れを見て、「かわいいね」と言う娘の成人式の着物に思いを馳せていると「それまで長生きしないと」という義母の横から「留学でいないわー」と息子が言ってきて…高校生のうちに予定していた長期留学も1ヶ月前に、短期留学も1週間前にコロナ禍で流れたのを思えばもちろん今回こそ行けるといいね!と思いながらも、なんとも言えない気持ちになりました。
そんなふうに大きな4つの三角形や、豊かな季節の移ろいと楽しい思い出をたくさん共有してみてください。そして是非、その時子どもにできることをみつけてたくさん手伝わせてあげてください。