代々木上原と大倉山にある高級輸入ファブリックのオーダーカーテン専門店「サンクリドー」さんで連載を書いています。
カーテンのある窓辺と聞いてみなさんはどのような風景を思い浮かべますか?リネンがふわりと揺れる様子や、ドレープをたっぷりとった重厚感のある海外のお城のようなものなど…どちらかというとクラッシックなスタイルを思い浮かべがちなのではないでしょうか?シャープなインテリアにしたいからカーテンよりもブラインドなどのメカものをさがしていた皆さんに朗報です。今回は、かけるだけで窓辺にコンテンポラリーなスタイルをつくってくれるデンマークのテキスタイルメーカー「Kvadrat(クヴァドラ)」をご紹介します。
魔法のように見たことのない景色を作り出すテキスタイルメーカー
クヴァドラは、1968年にデンマークで設立されたテキスタイルメーカーです。家具の張り地やカーテンなどの豊富な種類と品質の高さで瞬く間にヨーロッパでシェアNO.1になりました。スカンジナビアンデザインの伝統に深く根ざしながら、デザインイノベーションのリーダーとして今まで見たことのないような窓辺の景色やプロダクトを発表し続けています。
一流のデザイナーや建築家、アーティストとのコラボレーションを積極的に展開しているのも「クヴァドラ」の魅力のひとつ。アパレル界のスター、ラフ・シモンズや、建築・家具デザイナーとしても有名な、パトリシア・ウルキオラやブルーレック兄弟などテキスタイルの美的・技術的・機能的な特性の限界に挑戦し進化しつづけるパイオニアです。 インテリア業界のみならずファッション業界やアート業界からも注目を浴びています。
好きなアパレルブランドやアーティストを糸口に、カーテン選びができたらなんだかワクワクしませんか?
人気No.1! 風の動きで空間全体の印象がドラマチックに変わるレース「Zulu 2 (ズールーツー)」
ショールームを訪れた際に目を奪われたのは、紫色だと思っていたカーテンが揺れて玉虫のように緑色やオレンジに変化した窓辺の景色でした。風や光の変化によって驚くほど豊かな表情を見せてくれる「Zulu 2」は、軽く透明感があり繊細な印象のレースです。細く光沢のある糸をもじり編みすることで丈夫でかつ特徴的なテクスチャーが生まれました。各色2種類のトーンを組み合わせ、カーテンに深みと動きを添えています。
世界有数のインテリア企業、ファッション企業、フットウェア企業のカラーアドバイザーを務めてきたGiulio Ridolfo(ジュリオ・ルドルフォ)氏によるカラーパレット。糸の構造をつうじて色がテキスタイルにどう根付くかを理解し変化させるなど、デザインと製造工程の深い部分にまで及ぶ提案をするのが特徴です。エレクトリックカラーも含むあざやかな色に加えて、暗いメタリックカラーやさまざまな自然でニュートラルなトーンが揃っています。
日本語で天然色を意味する「テクニカラー(Technicolour)」
グラフィックデザイン界の巨匠ピーター・サヴィル(Peter Saville)とのコラボレーション「テクニカラー」には、カーテン生地2種と椅子張り生地にも使用可能な生地1種とラグ3種があります。本記事ではカーテンとインテリアファブリックをご紹介。
虹色の明るい色合い「テクニカラー Flux」と、静かな落ち着いたカラーリングの「テクニカラー Fade」が作る窓辺の風景
窓辺に吊るすだけで空間全体の印象を一新するレースです。一枚の布の中に複数の色が配置された虹のような「テクニカラー Flux」と、ニュアンスカラーがしっとりとした印象の単色「テクニカラー Fade」。
異なるネオンの輝きを持った3種類の糸を使用しているため、ドレープに光が当たると途端に鮮やかな色のニュアンスが表面に揺らめきます。細かなことですが、裾の縫製は普通に幅を取って仕上げるのではなく細く仕上げることでよりシャープな印象のインテリアを演出することが可能です。
表情豊かなモノトーンの張地「テクニカラー Fleck」
「テクニカラー Fleck」は、一見するとナチュラルなウール生地。ですが虫眼鏡で覗いてみると、明るい黄、青、赤の一見ランダムなドットが浮かび上がります。家具に用いられることで素晴らしい表情の変化を見せてくれます。
テクニカラーのイメージソースは、カラーマークのついた羊の群れ
田舎の風景にはそぐわないくらい鮮やかな色を使用している羊のマーキングスプレー。その色とりどりの羊が牧草を食む様子に「違和感」という魅力を感じていたことがイメージソースとのこと。羊本来の色に加え、飼育のためのカラーリングされていることが「ありのままの草原の営み」であり、その瞬間をテキスタイルによる表現で保存したいと考え作られたたシリーズなのです。
防音効果もあるレースのカーテン
リモートワークやフリーアドレスなど働き方が変わり、需要が高まったのが音の問題。パトリシア・ウルキオラの「ドロップス アコースティック」は、テキスタイル表面のポコポコとした凹凸が吸音してくれるので、窓辺はもちろん間仕切りとしても美しい効果を発揮してくれます。
いかがでしたか?今回ご紹介したテキスタイルは全て防炎なので、商業施設でもご使用可能です。生地の特性を活かしたご提案やお仕立て等、自社縫製工場をもつサンクリドーでは熟練職人がおりますので、ご安心してお任せいただけます。世田谷店・横浜店ともに取り扱いがあり、各種ご提案が可能です。