インテリアエディターDの「大人のための家具選び」vol.1
【身長156cmのインテリア】イームズの「ラウンジチェア」で美しくリラックス
身長156cmのインテリアエディターが「大人のための家具選び」をレポートする新連載。
第1回のアイテムは、ひとりがけソファーです。ひとりがけソファーは、空間の主役になり、豊かな時間を演出してくれます。
ライフスタイルの変化にも柔軟に対応できるので、長く大切にできるものを選びたいですよね。座ったときの心地よさ、立ち上がりやすさの両方を満たすというのが大前提。
また、リラックスして座ったときの姿が美しく見えることも重要です。
今回は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)やシカゴ美術館の永久収蔵品にも加えられているデザインアイコンのような存在、ハーマンミラーのイームズ夫妻デザイン「ラウンジチェア&オットマン」(¥815,400)をご紹介します。
背の高さに関係なく、誰でもくつろげるような秀逸な寸法体系で構成された名品に迫ります。
身長156cmと小柄なエディターが、実際に家具を触ったり、座ったりしながら、女性ならではの視点でインテリア名品の魅力を掘り下げます。
第1回はハーマンミラーのイームズラウンジチェア&オットマンです。
ミッドセンチュリーの豊かなアメリカンデザインを象徴する、ラグジュアリーな名作
イギリスのクラブソファーをモダンにアレンジ
こちらのソファー、みなさんも雑誌や映画で一度は目にしたことがあるのではないでしょうか?
フカフカの革張りクッションを、やわらかなカーブを描いた木部が支えるユニークな形状のデザインは、1956年に発表された後すぐにアメリカンデザインの象徴になりました。
アメリカのデザイナー・イームズ、正確には「チャールズ&レイ」のイームズ夫妻が設計したもので、チャールズは、イギリスのクラブチェアにインスピレーションを得てモダンな暮らしに合うよう設計しました。
成形合板(蒸気で圧着しながら薄い板を曲げている技術)で、たっぷりとしたクッションを包み込んだ姿を「使い込まれた一塁手のミットのよう」と好んで表現し、その快適性はあらゆる場所にスタイルを届け続けています。
仕様を変えて、軽やかなインテリアにも
黒革張りとダークな色合いの木部に、冷たいシルバーの質感の取り合わせですと、男性の書斎にある家具のようなイメージが強いかもしれません。
ですが、下の写真の「ホワイトバージョン」は、北欧スタイルやシャビーシックなインテリアにも合わせやすい軽やかさと、名作特有の存在感があります。
ハーマンミラー は、時代の革新をもたらし続けるブランド
Herman Miller(ハーマンミラー) は、1905年にアメリカで創業されました。
「デザインとは人びとのために問題を解決するための方法」という考えの下、ジョージ・ネルソンやチャールズ&レイ・イームズという伝説的なデザイナー達と共に、のちにインダストリアルデザインのクラシックとなる製品群を世に送り出し続けているブランドです。現在では、クラシック製品と暮らしのための新しいデザインに加え、働く環境、ヘルスケア施設の環境、それらの関連するテクノロジーやサービスにおいても、革新をもたらすイノベーターとして評価されています。
「ラウンジチェア」も当時の最先端技術が叶えたデザイン
当時は革新的な技術だった「成形合板(蒸気で薄い板を圧着しながら板を曲げる製法)」で、互いに置き換え可能なクッションを包み込んでいるパーツを、アルミダイキャスト製の背もたれが支えています。
傾斜した座面が脊椎下部にかかる圧力を背もたれに分散させ、腰部もクッションで支えられています。
胸部を支える背もたれの角度は、座ったままの状態で快適に身体を動かせるように設計され、チェアの脚部には回転機構が付いています。
張り地には「MCLレザー」という最高品質の天然皮革を使用。
ドイツでなめしたセミアニリンの「フルグレインレザー」(革の一番外側の部分で体毛を取り除いただけの天然皮革)で、天然革本来の美しくやわらかな質感が特徴です。
問い合わせ先
- ハーマンミラーストア
営業時間/11:30〜20:00 無休
TEL:03-3201-1820
住所/東京都千代田区丸の内2-1-1