娘が学校に出掛けた直後にハムスターが死んだ。
手にのせて温めていたけれど、頭から冷たくなり硬くなった。
前の日、動物病院から涙を浮かべたまま帰ってきた中1女子。
ケージを持って部屋の扉を閉めた。
そっと覗くと、ハムスターをスカートにのせて静かに過ごしていた。
娘なりに「死にゆく時間」を消化できたのだろうか?
軽音部の練習から帰宅した娘に告げると、泣かれることを覚悟していた私をよそに、
「埋めてあげなくちゃ」と、スコップを持ち出した。
テラスの葡萄の木の下に埋め、長瀞でひろった小石を置いた。
塾に行く前には騒がしい息子も静かに出かけていった。
毎日が変わるわけじゃないけれど、小さな命が子等の成長に気がつかせてくれた。