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【思春期のママはつらいよ。300字日記vol.23】葡萄の樹の下には屍体が埋まつてゐる


 

ハムちゃんこと「モカ」は、ふわふわでただひたすら可愛かった。夢中にならないように気をつけていたけど、無理でした。

 

 

娘が学校に出掛けた直後にハムスターが死んだ。
手にのせて温めていたけれど、頭から冷たくなり硬くなった。

前の日、動物病院から涙を浮かべたまま帰ってきた中1女子。

ケージを持って部屋の扉を閉めた。

そっと覗くと、ハムスターをスカートにのせて静かに過ごしていた。

 

娘なりに「死にゆく時間」を消化できたのだろうか?

 

軽音部の練習から帰宅した娘に告げると、泣かれることを覚悟していた私をよそに、

「埋めてあげなくちゃ」と、スコップを持ち出した。

テラスの葡萄の木の下に埋め、長瀞でひろった小石を置いた。

塾に行く前には騒がしい息子も静かに出かけていった。

 

毎日が変わるわけじゃないけれど、小さな命が子等の成長に気がつかせてくれた。

週末、娘が自分できれいにしたケージ。写真奥の葡萄が植わっている植木鉢に埋めてあげました。ぶどうの実がたくさんなるかもしれません。

長瀞で石切りを日がな一日やってるのを見ているだけ、という そんな時間は二度と来ない…

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