fun pun clock シリーズの開発秘話を徒然なるままに書いていこうと思います。
公式のものはレムノスさんHPでも書く予定ですが、公式にしちゃいけないような内容はコチラで♪
まるで1人でデザインしたかのように、世の中では「土橋陽子デザイン」と言われてますが、
実際の所は、様々なプロと、素直すぎて厳しい意見を言う園児の皆さんにご指導頂きながら、
もがき苦しんで出来たのが〈fun pun clock〉なんです。
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●実は最初はカラフルだった fun pun clock ●
実はfun pun clockも、開発途中段階までは、結構カラフルだったのです。
モンテッソーリ教育の算数教育で使われる、
数の習得の際の「位」(=「数のカタチ」)による色分けの法則で構成してました。
- 一の位は「緑」
- 十の位は「青」
- 百の位は「赤」
- 千の位は「緑」
と、いうように10進法で色分けがされています。
これは、算数教育の「金ビーズ」という教具で、
どんな数も「点」「線」「面(座布団とも呼ばれる)」のカタチで大らかに把握できる。
ということに由来しています。
年中さん(5歳児)が「1億は座布団何枚かな?」というように数に親しみを持っているフシギが、モンテッソーリ幼稚園では日常の風景のごく一般な会話だったりします。
*詳しくは「金ビーズ」で知る「数の不思議」について過去のブログ→コチラ
レムノスさんから試作があがってくるたび、
子等を通わせていた幼稚園〈モンテッソーリ綜合研究所付属子どもの家〉に持って行き、
園児の日々の暮らしの中で出て来た会話を主任研究員・櫻井先生からインタビューしてました。
「60でカタチが変わるの?」と年中さん(5歳児)にある日聞かれた、とか。。
がーーーーーーん。
10進法の「1〜12」を 60進法で読ませるコンセプトなのに、
色使いが根本から間違ってる!!!って気づかされました。
「60進法についての法則に基づいたカラーのルールを土橋さんがスタディーして、
新しい時計と数の法則を提案するというアプローチはモンテッソーリ的ですよね。」
と、美しい顔に相反するマッチョな提案をする熱い研究者・櫻井美砂先生…
既存のルールで、アナログ時計のヒントになりうる時間の量感の理解は…あった!!!!
土橋「時計は円グラフと一緒で分数概念もありますよね?」
櫻井先生「あーーーーそれなら、メタルインセッツですね」
櫻井先生「時計の読み方と合わせて提示するのもいいかもしれませんね。
英語でも“a half of an hour”や“a quarter of an hour”等の表現がありますよね。」
時間の量感を理解しながら、時刻の「針のカタチ」を覚えられていいかもしれませんね!!!
なんとかして取り入れたい。。
でも、なんともならなかった。
孤立化といって、気がそれないようにすることで理解を深める。
その為には、
理由のある色のみにしぼり、
マットな黒&艶のある赤+プライウッドの質感
に収まった経緯がありました。
そして、多くの園児に
「色のある方が可愛かった!!!」と惜しまれながら(?)
シンプルでナチュラルな、どのようなインテリアにも馴染む時計に仕上がったのです。
その果たされなかった「色」への憧れを、
レムノスさんは知ってか知らずか、
今回の〈fun pun clock with color!〉の課題を出してくれました。
課題の出し方・タイミングが絶妙すぎ♡
新しい単元の難しい問題を解くようなワクワク感があります。
次回は、fun pun clockシリーズ開発秘話②「カタチ」色鉛筆ってどこにあるの?
についてお話しします。