「ご縁のある学校に行くことになる」
日本人らしい素晴らしい言い回しだ。
「共学に行ってバンドやる」宣言をした娘。わりかし早い段階で、共学で軽音部のある学校に合格を決めていた。
それでも第一志望を最後まで受け続けた。「どこに行くかは受かってから選べばいい」という明快な塾長アドバイスに納得して、結局4回落ちた。
今時、伝統校以外は何度も受験することができる。午前・午後と試験を受けて、その日の夜のうちにネットで合否がわかる。大概の試験は、前日までにウェブ申し込みできる。その結果、受験期間が長期化して親は心の休まる時がない。
付き添っている時もずっと緊張していた。思春期に特有の、傷つく前に自衛本能がゆえに出てくる「頑張れない理由」の数々をうまくかわし、雪なのになぜか布靴(わざとなの?)コートの下は半袖(何に反抗しているの?)等々、心はざわつくも時間厳守で移動するわけです。朝受験したら、午後受験までの3時間ほどの時間に、ブーツやらパーカーを買って、なんか全て彼女の思い通りな気がする…と思いながらも、受験票を渡して別れ間際に「楽しんで!」と笑顔見せとく。
校門前に、最後だから応援にきてくれた塾長の差し出した握手を黙殺し(その場にいなくてよかった)「あーいうの、ほんっとやなんだよね」とかクールに言い放った一瞬後に無邪気に笑うあどけない頬っぺたに心はかき乱されました。
憎たらしいことを言っても、本人だってシクシク胸が痛んでる。無意識に試しちゃう。それにちょっぴり照れくさい。あまりの大人の必死さに笑っちゃう。
素敵よね。
あなたを見てると、勇気が湧きます。
ほんとお疲れ様でした。
思いっきり学生生活を楽しんでほしいな。